ノーリフティングケアに使える福祉用具には、スライディングボード、スライディングシート、スライディンググローブなど、いろいろな道具があります。
今回は、この世に存在するスライディング○○という福祉用具の中で一番携帯しやすいものを紹介します。(筆者調べ)
その福祉用具の名は、
「スライディンググローブ」
スライディンググローブの詳しい説明はこちら
今回の記事では、
一番携帯しやすい福祉用具であるスライディンググローブを
職員が一人1枚ずつ持ち、実際に運用できている施設の実例をご紹介します。
ステップ1:使い方を知ろう!
スライディンググローブは、福祉用具の中でもまだまだマイナーな道具です。
なので、「知っているよ!」
という職員さんは少なく、残念ながら一部の方にしか認識されていません。
そして、運良く知っていたとしても、「床ずれ防止に使うやつでしょ?」と、
ノーリフティングケアにどう活かすのかをご存じない方が多くいるのが実際のところだと思います。
そこで、まず初めに、福祉用具の使い方を紹介し、実際に使ってもらいました。
ステップ2:ポケットに入れよう!
福祉用具の紹介をするタイミングで、実はすごく重要なポイントがあります。それは、
「スライディンググローブをポケットに入れよう」
というメッセージを明確に伝えることです。
これは、以前スライディングシートを導入した際に紹介した「物の置き場を決めよう」と同じことです。
今回は、スライディンググローブを肌身離さず持ち歩いてもらうために、ユニホームのポケットという置き場を指定しました。
実際の様子はこちら↓

少し、スライディンググローブの青い色が見えていますね。
職員の方によっては、胸ポケットの他に、ズボンの前側のポケットや、おしりのポケットなど使いやすいように様々な工夫を凝らしているようです。
ステップ3:持っている人を増やそう!
このステップで重要になるのが、ノーリフティングケア推進委員です。介護施設で働く方は、交代で勤務をしている都合上、
「今日、この日から職員全員がスライディンググローブを持つようになる。」というのは、現実的には難しいものです。
そのため、ノーリフティングケア推進委員が中心となって、
どんどんスライディンググローブを配りましょう。
その際に、「すでに持っているか?」を確認することで、職員の方は次第に持っていないことに違和感を感じるように変化していきます。
人間は、少数派でいることよりも多数派でいることに安心を覚えるので、持っている人が増えるほど、その影響力は強くなります。
そして、同じ道具を持つ人が増えることで、仲間意識が生まれ職場の連帯感が高まります。
いかがでしたか。今回は、スライディンググローブを皆が持ち歩き、必要な時にノーリフテイングケアが提供できる環境をつくった実例を紹介させてもらいました。
今回ご紹介しきれなかった裏話は、また次の機会にご紹介いたします。
今回も、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
<今回、紹介させていただいた施設>
介護老人保健施設あけぼの苑
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