【介護施設向け記事】施設で始める!ノーリフティングケア(後編)

連載となる『施設で始める!ノーリフティングケアシリーズ(中編)』はこちらをご覧ください。

今回も、実体験を元にノーリフティングケアの導入に重要となるポイントをお伝えします。

作戦③  管理職にどんどんフォローをしてもらう

 今回の作戦はノーリフティングケアを職場で定着させるためには、とても重要です。

仮に、あなた自身が職場でノーリフティングケアに取り組みたいと思い、一緒に取り組んでくれる若手の仲間を作れたとします。しかし、それだけでノーリフティングケアが定着するかといわれれば、答えはNoです。

 新しい取り組みを1から始めた経験がある人は、あなたの職場には何人いますか?きっとそう多くないと思います。まして、若いスタッフであればその経験が豊富な人はさらに少ないかもしれません。

新しい取り組みを進める際の重要なポイントは「同じ方向を向く事」「巻き込み力」です。

事務長や仲間といった職場へのプレゼンが済めば、「同じ方向を向く」ことは達成できています。あとは「どれだけ多くの人に関わってもらえるか」=「巻き込み力」が重要になります。そこで、管理職にフォローをお願いしておきましょう。それにはどんなメリットがあるのでしょうか?

1.部署全体の役割分担を調整できる

 これからノーリフティングケアに取り組むという場合、あなたのノーリフティングケアを広めたいという気持ちが強ければ強いほど、他の職員との熱量の差が大きくなります。すると、自分の進めたい気持ちと他の職員の気持ちとの間に差が生まれ、歯車が噛み合わなくなることがあります。そんな時に、管理職を味方にしておくことで、双方の意見の聴取を行い、ちょうどよい落としどころを見つけてくれることがあります。

 また、「スライディングシートをどのように運用するか?」等を決めていく際に、誰に任せるのが適任か助言をもらえることもあるかもしれません。

2.注意しにくい人にも、言ってくれる

 ノーリフティングケアを進めていく際に、もし、あなたの先輩で「私は自己流のやり方があるから」と力まかせのケアを行っていた場合。あなたは率先して注意できますか?普段のその方との関係性にもよるでしょうが、注意しにくい人もいるかもしれません。

管理職は、その部署の運営を円滑に進める役割があります。施設全体で、「ノーリフティングケアに取り組む」と決めたにもかかわらず、実践しない職員に対しては注意し、行動を改めるよう指導する必要があります。先輩等に、自分から直接言いにくい場合は、管理職に相談することで、改善を促すよう指導をしてくれる事でしょう。

3.管理職のモチベーションが上がる

 人間には、「承認欲求」というものがあります。これは、「他人から認められたい」という欲求であり誰しも持っていると言われています。管理職についている人は、おそらく今までの「働き」や「功績」が職場で認められ、管理職についていると思います。そして、管理職についている人間は、「頼られる」と「とても嬉しい」ものです。

『新しい取り組みを導入しようと後輩が頑張っている。』その際に『自分も頼ってもらえて嬉しい。』という状態をつくれれば、自然と『後輩を応援しよう』という気持ちが湧いてきます。すると、自分の今までの経験や、今の立場を使ってフォローをしてくれると思います。

いかがでしたか?このように、管理職にフォローをしてもらうことで、多くの人を「巻き込み」ながらノーリフティングケアを進めていく事ができます。ただし、フォローは「尻ぬぐい」ではありません。若手職員の「一生懸命故の未熟さ」として受け止め、管理職がフォローをしてくれるためには、普段から「報告・連絡・相談をすること」、そして「感謝を伝えること」が重要です。皆さんも普段の仕事場面で、可能なことから初めてみてはいかがでしょうか?

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