お伝えしたいこと
ノーリフティングケアは管理者にとってはメリットがたくさんあり、魅力的に見えるかと思います。離職率は減り、施設のブランディングにもなります。利用者様に対する良質なケアにもつながります。
しかし、決して「現場の方」を忘れてはいけません。現場の人がケアを作っています。現場の人が施設を動かしています。現場の人の主体性が得られなければ、ノーリフティングケアを導入しても定着することは難しいです。
是非「現場の方」の目線に立って、ノーリフティングケアを考えてみてください。
根拠
現場の方には長年の経験があります。人は変化を嫌う生き物です。これまで通りに慣れ親しんできたやり方を突然変えろと言われても、反発されることは必至です。
自分のケアに対する考え方と長年の経験がある現場の方は、「これまで通りのケア」を行いたいと考えています。
「ノーリフティングケアの導入は私にとってどんな意味があるのか」という現場の方からの問いに、しっかりと管理者の方が答えられることが大切なのかもしれませんね。
具体的な事例
介護職20年目のあなたは、10年前から勤めている施設で今日も介護業務を行っています。入浴介助やおむつ交換、トイレ介助など日々の業務は体にこたえますが、利用者様の「ありがとうね」の言葉で今日も頑張ろうと思えています。
ある日の朝礼で施設長はこんなことを話しました。
「当施設では今後、ノーリフティングケアの導入を進めていきたいと考えている。ノーリフティングケアでは福祉用具の使用を進めていく。職員の腰痛予防にも繋がるし、利用者様にとっても良い効果が期待できる! 」
ノーリフティングケアという聞き慣れないカタカナを聞き、あなたは不安を感じました。突然福祉用具と言われてもよくわからないし、時間がかかりそうで仕事にならないんじゃないかと感じました。
普段表に顔を出さない施設長がこんな時にだけ顔を出すことにも苛立ちを感じています。職員を大切に思う気持ちがあるなら、普段の態度や姿勢から心がけて欲しいとも感じました。
今後はノーリフティングケアの勉強会を2週に1回開いていくようです。お昼休憩もまともに取れない状態でさらに勉強会と言われても、気持ちがついていきません。
介護職のあなたがノーリフティングケアを進める管理者に対して感じたこと
- 職員を大切にする気持ちがあるのなら普段からそうして欲しい
- 日頃の業務自体をこなすので大変なのに、さらに勉強会が増えるのは大変すぎる
- 現状のケアで利用者様から感謝されているからノーリフティングケはいらないのでは
- 福祉用具を使ってたら日々の業務に支障が出るのでは
- 福祉用具を購入する費用があるのなら、まずは電動ベッドや職員のユニフォームなどを気遣って欲しい
- よくわからない新しいことをやるのは不安だし、面倒くさい。やりたくない
現場の人が施設を回しています。現場の人は「人間」です。現場の方の理解と実践なくしては、ノーリフティングケアは定着しません。現場の方に対する理解が大切ですね。
結論
施設を動かしているのは現場の人です。現場の方に対する理解なくしては、「ノーリフティングケアに対する現場の方の理解と実践」はありません。
ノーリフティングケアとはどういうものなのか?を一緒に考えながら、「その施設だけのノーリフティングケアの形」ができると、きっと現場の方も愛着をもって実践してもらえるのではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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