身近なノーリフティングケア 1/2

ここまでこの「イチからわかる!ノーリフティングケア」のシリーズでは、

ノーリフティングケアの定義や概念、また歴史についてお話ししてきました。

少しずつ皆さんの中で、ノーリフティングケアというものがどういうものなのか

イメージができてきた所だと思います。

しかし、中にはそうは言ったものの

  • 「ノーリフティングケアって特別なケアなのか…」
  • 「なんか難しそうだな…」

そう思われた方もいらっしゃることだと思います。

大丈夫です。

実は、ノーリフティングケアは皆さん既に行なっていたり、

身近に備わっていたりもするのです。

今回はそんな、

「それ、気づいてないだけでちゃんとしたノーリフティングケアだよ」

といった身近なノーリフティングケアについてお伝えしていきたいと思います。

ノーリフティングケアのケアレスミス

突然ですが、ノーリフティングケアとは何でしょうか?

ノーリフティングケア =

『福祉機器を入れて、”介助をする側”も”される側”にも優しいケア』

 

いかがでしょうか?

皆さんの中にもノーリフティングケアについてこういった考えを持った方が

いらっしゃるかもしれません。

この考え方、一見合っているように見えるのですが、

実は半分合っていて半分間違った考え方なのです。

 

後半部分

”介助をする側、される側にも優しいケア”

この部分は合っています。

しかし、前半部分

”福祉機器を導入して”

これで考えを固定してしまうのは間違いであり、

また、とてももったいない考え方になってしまうのです。

 

ノーリフティングケアの根本

上記の考え方ではとてももったいない…

なぜなら、ノーリフティングケアは本来

「要介護者の能力を見極めて正しい介助をする」

ことに他ならず、福祉機器が絶対必要というわけではないのです。

 

「要介護者の能力を見極めて正しい介助をする」

って介助系の勉強会とかで言っていることと一緒じゃん。

そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。

まさにその通りなんです!

 

『介助量が足らな過ぎれば、介護される側はツラくなり、

介助量が多過ぎれば介助をする側がツラくなってしまう…』

 

要介護者の能力を見極めて、それに合った介助量で介助をする。

それによって介護される側は楽になり、介護する側も楽になる。

 

というのがノーリフティングケアの本来の考え方になるのです。

勿論その中で、リフトなどの福祉機器を導入することもあります。

特に、介護度の重度の方には介助する側の身体的負担も考え、

リフトを利用していただくことが多くあります。

 

ただ、そのイメージが先行してしまい、

ノーリフティングケアは大がかりな機器導入=とてもハードルが高いもの

という認識になってしまっている現状があるようです。

 

 

道具じゃない…身近なノーリフティングケア

ノーリフティングケアの本来の考え方を知ると、

気が付いていないだけで皆さんの中にも

既にノーリフティングケアを行なっている方やそういったケアが身近にある人も

結構いらっしゃいます。

 

例えば、

”立ち上がりのときに手引きや横から支えを介助する”

これのどこがノーリフティングケアなのかというと…

「本来、1人では立ち上がれなかった人が

少し介助を行なうことで立ち上がることができ、

介助する側も適切な介助量で行うことで楽に立ってもらうことができる。」

これだけで、もう立派なノーリフティングケアなのです。

また、

”トイレ動作でズボン介助の際に手すりに掴まってもらって立位を保ってもらう”

こんな場面多いですよね?

手すりがなければ立位の保持も介助しなくてはならず、

介助負担が多くなってしまいます。

しかし、

手すりに掴まってもらうことでその負担が減り、

なおかつ、患者様の1人で立位を保つ能力を引き出せる…。

つまり、これもノーリフティングケアです。

 

他にも、

”ベッド上での介助でベッドの高さを介助しやすい位置に調節する”

”反対側に手を伸ばすのが大変だから、回り込んで介助する”

”1人介助ではなく、2人で介助する”

こんな日常で行なっていること…。

これらも介助者が自身の負担を減らすための

ノーリフティングケアの一つとなるのです。

 

このように…

道具や福祉機器を使用しないものでも

皆さんの身近には挙げたらキリがないくらい

ノーリフティングケアは備わっています。

 

ノーリフティングケア=特別なもの、難しいもの

ではなく

『身近にある自分と相手を労わる思いやりのようなもの』

そう思っていただきたいです。

 

そして、それらは

「介助される側のためだけでなく、介助する側のためのものも含まっている」

「あくまで福祉機器はノーリフティングケアの中での選択肢の一つにすぎない」

ということが少しでもお判りいただけていれば幸いです。

 

終わりに

以上身近にあるノーリフティングケアについてお話してきました。

今回は道具に関係のないものノーリフティングケアを挙げ、

ノーリフティングケアが単純に福祉機器を入れることではなく、

相手と自分を思いやるケアである

ということを知って頂きました。

しかし、そうは言っても

身長180cm 体重80kgの重度介助の方を人力だけで介助するのは

あまりにも無謀だと思います。

そんなときの選択肢として福祉用具や機器があります。

 

次回はそんな道具を使ったノーリフティングケアについて

お話ししたいと思います。

こちらも身近なものを挙げてノーリフティングケアを知って頂ける内容

となっておりますので、興味のある方は是非ご覧ください。

 

皆さんの周りのノーリフティングケアを見つけることができたでしょうか?

読んでいただきありがとうございました。

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